- 薪の組み方って、見た目が違うだけじゃないの?
- 焚き火台が細長くて、薪が組めないんだけど
- そもそも、薪って組む必要ある?
「焚き火をするなら、まず薪を組もう!」そんな情報を見ることもあるでしょう。しかし「薪を組むと言われても……なんで?」と思ったことはありませんか?
実はわたし自身、最初の頃はあまり理解しておらず「適当に薪を並べて火をつければOK!」と、何度も失敗をしてきました。
この記事では「なぜ薪を組むのか」と「簡単でやりやすい組み方」をご紹介します。
はじめに薪を組む理由は、「熱源」「酸素」「可燃物」を整えて、効率よく火力UPさせることが目的。

薪の組み方を知っていれば
- 着火してから慌てて薪を足す
- 火が消えて何度も着火し直す
といったバタバタ感を回避できますよ!
それでは早速、本編をどうぞ!
焚き火に火を付けるのは、薪を組んでから

焚き火は、火を付ける前に薪を組んでおくことで、成功率が上がります。
火起こし直後の火は繊細で、ちょっとした変化で消えてしまうことも……。薪を組んでから火をつけることで、火が回るまでの序盤を、安定してコントロールできますよ。
薪を組んでおくメリットは3つ
- 着火後にバタバタせず、見守るだけ
- 空気の流れが一定で、安定して温度が上がる
- 火が不安定な序盤での薪足しが不要
はじめに薪を組んでおき、火が回ってから薪を追加すると失敗なしですよ!
中途半端に動かすと、崩れたり、空気の流れが変わったり、火が消える原因となってしまいます。火が大きく育つまで、じっと見守ってあげましょう。
本記事で登場する、焚き火の燃料について軽くご紹介します。
- 火口:火花でも発火する、火の付きやすい素材
- 焚き付け:細い木の枝、箸くらいに割った薪など
- 着火剤:市販の着火剤、ライターで簡単に燃える
- 細い薪:太さ1cmに割った薪、主に針葉樹を割って作る
- 太い薪:太さ3cm以上の火がつきにくい薪
定番の組み方を5種類紹介!

焚き火で使われやすい、定番の組み方はこちら。
- 井桁型
- 差し掛け型
- 開き型
- 閉じ型
- ロングファイヤー型
こちらの方の動画がわかりやすく、参考になりました!興味がある方は、ぜひご覧ください。
組み方により、火力、燃費、作りやすさ、維持の手間など様々。焚き火台の形によっては、作れない組み方もあります。
あなたが持っている焚き火台では、どの型が作れるでしょうか?
これから焚き火台を購入する方は、本記事と併せておすすめ焚き火台の記事もぜひお読みください!

ファイヤーディスクで試しに組んでみました。
▼本記事で使用している焚き火台、ファイヤーディスクのレビューは以下記事で紹介しています。

ひとつずつご紹介します!
井桁型

特徴
耐荷重の高い、ガッシリした焚き火台ならではの組み方。
- 高さと安定感があり、高火力
- 一度に大量の薪を燃やすため、薪の消費が激しい
- 火の勢いが強く、写真によく映える
組む手順
- 火口を中央に用意し、焚き付けを山型にセットする
- 同じ太さの太い薪を、2本ずつ交互に乗せていく
- 3~4段ほど組んだら、口の中に細い薪を差し込む
ポイント
交互に組む薪は、2本の太さを合わせよう!
太さが極端に違うと、火が回ったあとで崩れる原因になってしまいます。
差し掛け型

特徴
台座の面が大きな焚き火台で組める組み方。
太い薪を寝かせつつ、薪を立てかけても外に飛び出さないサイズの焚き火台が必要です。
- 薪を寝かせて立てかけるだけの簡単セット
- 料理時、強火と弱火の使い分けができる
- 薪の追加時、立てかけるだけでお手軽
組む手順
- 太い薪を横に寝かせる
- 寝かせた薪の隣に火口を添える
- 焚き付け、細い薪を立てかけて配置
ポイント
立てかける薪はピッタリくっつけないで、少し間隔を開けよう。
隙間がないと、酸素不足で火が消えるかもしれません!
開き型

特徴
逆三角形型、焼き面が広い焚き火台で組めます。
- 中心部のみが燃えるため、低燃費
- ときどき薪を押し込み、炎を維持する必要がある
- 薪をたくさん確保できない環境にぴったり
組む手順
- 火口を中央に用意し、焚き付けを山型にセットする
- 焚き付けセットを中心に、放射線状に太い薪を配置する
ポイント
薪を置くとき、焚き火台から飛び出る長さに注意!
燃え進むと、重さの重心が変わって地面に落下してしまうかもしれません。
火がついたら、薪を時々押し込んであげましょう。
閉じ型

特徴
薪を斜めにして支え合う組み方、どっしりとした焚き火台にオススメ。
- 高さが出て見た目がキレイ
- 薪同士で支え合うため、崩れないように注意
- 高火力で高燃費、鑑賞用にオススメ
組む手順
- 火口を中央に用意し、焚き付けを山型にセットする
- 細い薪を数本、お互いが支え合う形で立てかける
- 同じように、太さを変えつつ立てかけてバランスを取る
ポイント
焚き付けセットを中心に、偏らないようにバランスを見つつ配置していきます。
火を付ける前に、崩れやすくないかチェックしましょう。
ロングファイヤー型
特徴

太い薪で細い薪を挟み込む型、横幅がある焚き火台で使える
薪が寝かせられるサイズがあれば良いので、コンパクトな焚き火台でも使える
- 熾火(おきび)を溜め込みやすい形状
- 薪を並べるだけなので、手軽に組める
- 太い薪に網やクッカーを渡し、調理が可能
組む手順
- 太い薪を2本、平行に並べる
- 太い薪の間に細い薪を入れて、挟みこむ
- 細い薪の上に火口、焚き付けを置く
ポイント
直火の場合は、太い薪の下に細い薪を入れて空気の通り道を作ります。
焚き火台の上なら、空気の流れを考慮した作りになっているので、そのままでもOK!
薪を組むときのポイントは3つ

薪を組むときは、この3つを意識すると上手くいきますよ!
- 適度に囲って熱をため込む
- 空気の通り道を作る
- 焚き付けをたくさん使う
焚き火には、小学校の理科で学ぶ「燃焼の3要素」が役に立ちます。
燃焼の3要素とは、「酸素」「熱源」「可燃物」のこと。
この3つが順番に反応することで、火がどんどん大きくなっていきます。

薪と酸素が加熱されて火が付き、その火で更に薪が温まり加熱され……と、続いていくような形ですね。焚き火って、実はシンプルで科学的なんです!

ポイントを理解すれば、成功率UP!
適度に囲って熱をため込む

薪を組むときは、火口を焚き付けや薪の壁で囲ってあげましょう。
こうすることで、外気や風から火を守る、余計な熱を逃さない効果があります。
薪に当たった熱が内部に跳ね返り、効率よく薪を温められますよ!
空気の通り道を作る

火を大きくするために必要な酸素。供給が足りていないと火が窒息し、消えてしまう原因に……。
薪を組むときに適度な隙間を開け、空気が通るように組むと良いでしょう。
焚き火台によっては、形状や穴開け加工で空気が入りやすい仕組みのものもあります。空気の循環で、酸素を送り続けましょう!
焚き付けをたくさん使う

焚き付けの量はたくさん用意するといいでしょう。
焚き付けが少なすぎると、薪が発火する前に燃え尽きてしまい、火が消えてしまいます。
焚き付けは、薪を加熱する重要なエネルギー源!たくさん使って、ガンガン加熱していきましょう!
焚き火台の形によって組める型は変わる

薪の組み方は、焚き火台の形状に合わせて工夫する必要があります。
なぜなら薪を組む技術は元々、直火で効率よく火を起こすためのもの。
広い地面を使った焚き火と、台の上で行う焚き火は、やはり勝手が違うものです。
小型の焚き火台では、ノコギリで長さを調節することも……。
焚き火台の形に合わせて薪を組めると、スマートな火起こしができて素敵ですね!
薪が組めたら火起こししてみよう!

薪がしっかり組めたら、火起こしに移ります。大事なのは、火がついてからしばらくの間は、そっと様子見して動かさないこと。
火起こし方法については、こちらの記事で紹介しています。ぜひ、ご覧ください!
【火起こしはキャンプの場面転換】難易度別に3段階!焚き火の着火方法
よくあるお悩みポイント

針葉樹と広葉樹、薪を組むときはどっちがいいの?

焚き付けや細い薪は、火がつきやすい針葉樹を活用しましょう。
火起こしには、着火しやすさが大事。効率よく火を大きくするには、火がつきやすい針葉樹がよく合います。
一方で、壁や外側に組む薪は、硬くて火持ちが良い広葉樹を使うといいでしょう。
「どっちも買うのは大変……。」という方は、針葉樹を優先して用意。火起こしを成功させることが第一です!
薪割りとフェザースティックって、必須?

市販の着火剤を使う場合は、作らなくても大丈夫です。
着火剤自体に燃料が含まれているため、一度火がつけば長時間燃え続けてくれます。
市販されている針葉樹であれば、着火剤の力だけで十分火がつきますよ。
一方で、火花や小さい火種、熱を利用して火起こしする場合には重要です。
薪を割る、削るといった加工をすることで表面積を広げて、少しでも燃えやすくする必要があります。
高難易度の火起こし方法を試すときは、ぜひ挑戦してみてくださいね。
薪が組めない焚き火台の場合はどうするの?
焚き火台の形状によっては、火床が狭くて薪が組めない場合があります。
その場合は、火床に焚き付けを山盛りに乗せて着火し、炎の様子を見ながら薪を足していくと良いでしょう。
薪は細いものから順番に燃やし、火力が上がったら少し太い薪を……と、少しずつ火力を上げていきます。

急に太い薪を入れると、薪に熱が奪われて火が消えてしまうので注意!
まとめ|薪を組んで、効率よく火起こししよう
今回は、火起こしの成功率を上げる「薪の組み方」についてご紹介しました。
- 薪の組み方次第で、火力や燃費が変わる
- 焚き火台の形状によっては、組み方が制限されることも
- 組むときのポイントは「酸素」「熱源」「可燃物」の3つ
準備次第で、焚き火の成功率は大きく変わります。ご自身の焚き火台に合う薪の組み方を覚えておきましょう!
ご自身の焚き火台ではどの組み方ができるか、想像してみると楽しいですね。

次の焚き火で実践してみましょう。
それでは、また!

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