- なんで最初に薪を組まなきゃいけないの?
- 適当に並べるだけでもいいんじゃない?
- 失敗しない薪の組み方が知りたい!
焚き火は火起こしする前に、焚き火台の上で薪を組むことが大切。薪を組んでおくと火を起こしてから慌てずに済み、キャンプ初心者の方でも落ち着いて作業できます。
火が付いてから慌てて薪を入れると失敗しちゃう!
- キャンプ歴3年、30代後半の2児の父。
- キャンプ好きの友人に誘われキャンプの虜に
- コロナでメンタルをやられ毎週焚き火を眺めて復帰
- もっと焚き火ファンを増やすべく焚き火ブログを執筆中
本記事ではそんなキャンプ初心者の方に向けて、焚き火台の上で薪を組む方法を5つ紹介します。
薪は組み方を変えるだけで、勢いが強い焚き火を作ったり、長持ちする小さな焚き火を作ったりすることが可能。薪の消費ペースを自由自在に操れるようになります。
本記事を読むことで、薪を組む理由やさまざまな薪の組み方が身に付きます。
「せっかくのキャンプ、焚き火で失敗したくない!」
そんな方は本記事を、ぜひ最後までお読みください。
焚き火は火起こし前に薪を組むと失敗しにくい
焚き火は火起こしをする前に、焚き火台の上で薪を組んでおくと失敗しにくいです。
火を付けた直後は薪が温まっておらず、火力も小さいです。どんどん薪をくべていくと、焚き火が大きくならず途中で鎮火してしまうこともあります。
火を大きくするために必要なぶんの薪を組んでおき、火起こししたら見守るだけの状態にするのがベスト。
キャンプ初心者の方の場合、慣れない火起こしで慌てたり緊張したりする人もいます。落ち着いて作業するためにも、火をつける前に薪を組んで準備しておくことが大切です。
火をつける前に薪を組んでおくと安全!
代表的な薪の組み方5選
キャンプ初心者の方でも作りやすい、代表的な薪の組み方を5つ紹介します。
焚き火台の形やスタイルによって、薪の組み方が変わります。焚き火の目的や状況に合わせて、好きなタイプを選んでみましょう。
井桁型
井桁型は、薪を2本ずつ交互に重ねて組む方法。キャンプファイヤーによく見られるスタイルで、火力があり見栄えがいいため大人数のキャンプにオススメの組み方です。
中央の四角い枠が煙突の役割を果たすため、大きな火柱が立ち上がるのが特徴。日の勢いが強く、暖を取ったり大勢で鑑賞したりするのに最適です。
一方で薪の消費が非常に早いため、一人でゆっくり焚き火を楽しみたい方には不向きの形状。グループキャンプで、薪をたくさん使って楽しみたい方にオススメです。
- 交互に組む2本の薪の太さを揃える
- 井桁が長持ちするように太い薪を使う
- 薪が燃えて崩れないように気をつける
差し掛け型
差し掛け型は、薪を寝かせて立てかけるように組む方法。シンプルで簡単にできるため、初心者の方でも作りやすい組み方です。
薪の太さを選んだりバランスを取ったりする必要がないため、手軽に焚き火を楽しみたい方にオススメ。薪の重なる場所に火が集中しやすく、焚き火で料理するときに強火と弱火の使い分けがしやすいです。
一度に使う薪の量が少なく済むため、ゆっくり1本ずつ薪を燃やして焚き火を楽しめます。
- 燃えやすい焚き付けを多めに入れる
- 横に寝かせる薪は太めのものを使う
- 薪同士の間隔を開けて空気の通り道を作る
開き型
開き型は、薪を放射状に広げて組む方法。薪同士が重なる中心部のみが燃えるため、薪を長持ちさせたいときに有効です。
薪の先端だけが燃えるため火力はひかえめ、じっくりと燃える焚き火が楽しめます。火力の強い焚き火が怖い人や、のんびり楽しみたい人にオススメの組み方です。
一方で開き型は他の薪の組み方と比べ、火起こしの難易度が少し高いです。空気の通りが良すぎて熱を溜め込みにくく、着火しても火を育てるのが大変。
難しければ他の火起こししやすい組み方で着火し、火が安定したら薪をバラして開き型に変えるといいでしょう。
- 焚き火台から薪が飛び出しすぎないように注意
- 火起こし時は焚き付けを絶やさず入れる
- ときどき押し込み薪同士が離れないようにする
閉じ型
閉じ型は、薪を立ててバランスよく支え合うように組む方法。薪を立てることで高さが出るため、大きな火を楽しめる組み方です。
三角形で見栄えがよく火力も強いため、写真映えしやすいことが特徴。SNSに焚き火の写真を上げたい方は、試しにやってみる価値があります。
閉じ型は薪を立てて組むため、崩れないように見守りが必要。火が回ると薪がスカスカになって折れやすいため、薪が燃え尽きる前に手直ししてください。
火床(薪を置く場所)が狭いとバランスを取りにくいため、大きな焚き火台だけが楽しめる薪の組み方です。
- 立てる薪はできるだけ太くずっしりしたものを使う
- 組むときに隙間を作り空気の通り道を確保する
- 火をつける前に崩れやすくないか再チェックする
ロングファイヤー型
ロングファイヤー型は、太い薪2本で焚き付けを挟み込んで組む方法。薪が横に置ければ作れるので、ピコグリルなどのコンパクトな焚き火台でも使える組み方です。
太い薪の間に熾火(おきび)を溜め込みやすいので、熱が逃げにくく安定した焚き火が作れます。
太い薪の間に調理器具を直接置けるので、焚き火で料理をしたい方にもオススメ。火が上がりにくいので、ソロでゆっくり焚き火をしたい人に便利な組み方です。
ただし火が上がりにくいので迫力に欠け、盛大に焚き火をしたい人には不向き。試しに火をつけてみて物足りない場合は、他の組み方を試しましょう。
- 太い薪の間に入れる焚き付けは多めに使う
- 火床が平面に近い焚き火台を使う
- 太い薪は大きめのものを使う
薪を組むポイント3つ
薪を組むときのポイントは、以下の3つを意識してください。
- 焚き火の中心部に熱をため込む
- 空気の通り道を作る
- 焚き付けを多めに使う
焚き火を作るには「燃焼の3要素」をバランスよく整えるのが大切。どれか一つでも欠けると、火力が上がらず鎮火してしまいます。
ものが燃えるには、3つのアイテム「可燃物」「酸素」「熱」が必要です。 3つのアイテムが全部そろって、火の三角形が完成すると、ものが燃えます。
引用:消防庁消防大学校・消防研究センター
薪を組むときは3つのポイントを意識!
焚き火の中心部に熱をため込む
火起こしした直後の火種は弱く、ちょっとしたことで消えてしまう場合があります。薪で火種を囲って熱を溜め込むことで、温度を少しずつ高くしていくことが大切。
太い薪を適度に配置し、熱が外に逃げにくいよう調整しましょう。ぴったり揃えると酸素が行き渡らないため、隙間を作ることも重要です。
空気の通り道を作る
焚き火は酸素が供給されることで徐々に大きくなります。薪を組む際にピッタリ隙間なく詰めず、適度な間隔を開けて空気の通り道を作りましょう。
焚き火に酸素が行き渡らないと、せっかく火種を作っても燃え移らず鎮火してしまう場合があります。
焚き火台は酸素を取り込みやすい形状になっていることが多く、直火(地面で直接焚き火)よりも火起こしで失敗しにくくなっています。焚き火台の形状をうまく利用しつつ、適切に空気が通るよう薪を組むことが失敗しないために重要です。
焚き付けを多めに使う
火種から失敗せずに焚き火を作るため、焚き付けを多めに使いましょう。
焚き付けとは細くて燃えやすい素材のこと。乾燥していて火の回りが早いため、焚き火を効率的に大きくするため重要な燃料となります。
細く割った針葉樹の薪のほか、松ぼっくりや紙類も焚き付けとして使われます。
冷え切った太い薪を温めて燃やすには、火種や着火剤の火力だけでは足りません。火種から焚き付けに火を移し、火力を大きくしながら太い薪に熱を入れましょう。
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薪の組み方次第で焚き火が長持ちする
焚き火は薪の組み方によって、火力が大きく変わります。焚き火の火は以下のような性質があり、組み方次第で調整可能です。
- 薪の重なっている場所が燃える
- 高さがあると火力が強くなる
焚き火を長持ちさせたい場合は、薪同士の接点を小さくしてください。高火力の焚き火を楽しみたい場合は、薪を高く積むようにするといいでしょう。
長持ちする薪の組み方は重なりを小さくする
少ない薪で焚き火を長持ちさせたい場合は、薪同士の重なりを小さくしましょう。
- 一度に使う薪の本数を少なくする
- 薪を立てかけて斜めに置く
- 薪の先端だけを重ねる
薪の接点が小さい開き型や、薪の本数が少ないロングファイヤー型を使うことで、少ない薪でも焚き火が長持ちします。
薪の調達がしにくい場合や、ソロでたくさん薪を消費したくない場合にオススメです。
薪同士の接点が小さいと、火力もひかえめになります。燃え尽きないように薪をくべたり、適度に配置を整えてあげると失敗しにくいでしょう。
勢いよく燃える組み方は薪を縦に高く積む
大きな炎で盛大に焚き火を楽しみたい場合は、薪を縦に高く積んでください。
- 高さを出すために薪の本数を多くする
- 簡単に崩れないよう太い薪を使う
- 煙突のような形状を意識する
薪を交互に組んでたくさん使う井桁型や、薪を立てることで高さを出す閉じ型を使うと、火力が強く勢いのある焚き火を作れます。
大人数で焚き火を囲みたい場合や、薪を大量消費したい場合にオススメです。
火力が強くなると上昇気流で火の粉が遠くまで飛びやすくなるため、テントやタープなどから離れて焚き火をすると安全です。
焚き火に薪をくべるときの注意点
焚き火に薪をくべる際、注意するポイントは以下の3つです。
- 焚き火が大きく育ってから薪をくべる
- 一度にたくさん薪をくべない
- 薪をくべたら火吹き棒で酸素を届ける
焚き火に薪をくべるときは、しっかり火が回っていることを確認してから追加しましょう。火が小さいうちに新しい薪を入れると、冷たい薪に熱を奪われ鎮火してしまう場合があります。
また一度に大量の薪をくべることも避けてください。焚き火の温度が急激に下がってしまい、火力が弱くなったり火が消えてしまったりする事があります。
薪をくべたら火吹き棒で息を吹きかけ、火に酸素を送り届けましょう。焚き火の火力が強くなり、薪が早く温まります。
焚き火台によって薪の組み方が変わる
焚き火台の種類によっても、薪の組み方が異なります。
大型の焚き火台では、薪を広く配置し、自由なスタイルで薪を組むことが可能。一方で細長い焚き火台の場合、薪を並べるスペースが制限されるのでコンパクトな焚き火になりやすいです。
大きい焚き火を作りたい方は大型の焚き火台を、小さくゆっくり焚き火を楽しみたい方は小型の焚き火台を使うといいでしょう。
大型・小型それぞれのオススメ焚き火台は、以下の記事で詳しく紹介しています。興味のある方はぜひお読みください。
市販の薪・着火剤を使うなら薪割り用の刃物は不要
焚き火をする際によくイメージされがちな「薪割り」。結論からお伝えすると、市販の薪と着火剤を使うなら、薪割りはしなくても問題ありません。
市販の薪は燃えやすいよう既に割ってあり、市販の着火剤と焚き付けを使えば火起こしで失敗することは少ないです。
特にキャンプ初心者の方の場合、慣れない刃物を使って怪我をしてしまうリスクもあります。斧やナタなどはキャンプ・焚き火に慣れてから購入しても遅くありません。
私自身3年間焚き火をしているものの、薪割りはほとんどしていません。
ファイヤースターターで火種から焚き火を作りたい、難しい着火方法を試したい場合は薪を更に加工する必要があります。
まずは市販の薪と着火剤で焚き火に慣れることから始めて、新しいことを試したいと思ったときに刃物の購入することをオススメします。
キャンプ初心者向けの、焚き火で使う基本セットは以下の記事をお読みください。
薪の組み方のよくある悩み
薪の組み方について、よくある悩みを紹介します。
薪の組み方を身につければ焚き火で失敗しない
本記事ではキャンプ初心者の方に向けて、焚き火の薪の組み方と注意点を紹介しました。
- 焚き火台で使える5種類の薪の組み方
- 薪を組む際に気をつけるポイント3つ
始めのうちは慣れない焚き火に苦戦してしまうのも当然。失敗しても焦らず、上手くいかない理由を考えながらもう一度チャレンジすればOKです。
焚き火は火をつける前に薪を組むことで、失敗しにくくなります。「燃焼の3要素」を意識しながら薪を組んでみて、火起こしを成功させましょう。
当サイト「たきっぽ!」ではキャンプ初心者の方に向けて、「焚き火の一歩目のチャレンジ」を応援しています。焚き火の詳しい手順やよくある質問については、以下のページで紹介しています。興味のある方はぜひお読みください。
▶ キャンプ初心者向け『初めての焚き火のやり方』完全ガイド