- 「テントと離れて焚き火するって、荷物が遠くて大変じゃん」
- 「焚き火に強いポリコットンのテントでも離さなきゃダメなの?」
- 「設営したら焚き火スペースが小さいけど、面倒だしこのままで良いかな」
テントと焚き火の距離はしっかり取ろうとよく耳にしますが、正直「焚き火が離れていると面倒くさい」と感じませんか。
実は私も焚き火をしながら、「アレ持ってくるの忘れた」「立ったり座ったりするのが大変」と思うことがよくあります。
しかし、焚き火とテントとの距離に「面倒くさいよりも大きな不安」を感じた出来事があってから考えが変わりました。
本記事では、私のヒヤッとした体験も交えながら、テントと焚き火を離す理由について紹介します。
- 大切な道具に穴があくのが嫌
- 安全にキャンプと焚き火を楽しみたい
- 焚き火をするのがちょっと不安
このような方は、ぜひご覧ください。
それでは早速、本編をどうぞ!
テントと焚き火は3mほど距離を取る
テントと焚き火は、3mほど距離を取って配置しましょう。
3mは身長170cmの歩幅で4歩くらい!
理由は「火災・転倒・煙トラブル」を回避するためです。
配置決めのときはご自身の持ち物だけでなく、隣の人のテントなどからも離れておくことが大切。
焚き火のせいで隣の人と揉めてしまっては、せっかくのキャンプが台無しですからね。
場所を決める前に風向きをチェックし、テントの風下に焚き火を配置すると安心ですよ!
焚き火はちょっとしたことで火事になるリスクがあり、配置がとても重要。
次の項目から、テントと焚き火の距離を取る理由についてお話しします。
焚き火から距離を取る3つの理由
テントと焚き火の距離が近いと、いくつかの問題が起きます。
- 火の粉による穴あき、火災
- テントのロープで転倒する
- テント内に煙や火の粉が入り込む
これらは全て、せっかくのキャンプが台無しになってしまうものばかり。
ひとつずつ確認していきましょう。
火の粉による穴あき、火災
テントと焚き火の距離を取る理由として一番想像しやすいのは、火の粉による穴あき、火災ではないでしょうか。
焚き火の場所を決めるときは、自分の道具はもちろんのこと、隣の人の配置にも気をつけて距離を取る必要があります。
実は以前、隣の人が私のテントの近くで焚き火を始め、困ってしまったことが……。
火の粉が原因でご自身のテントが穴だらけになったり、最悪の場合は全焼してしまうと、買い換えなければならなく大きな出費ですよね。
しかし、もし隣の人のものが燃えてしまった場合は、弁償などの深刻な問題に発展してしまうかもしれません。「万が一、中に人のいるテントが燃えてしまったら……」と考えると、とても怖いですよね。
火の粉が原因で起きやすいトラブルについては、「火の粉が引き起こす四大被害と対策」の記事で事例をお話ししています。
ぜひこちらもご覧ください。
ポリコットンのテントでも距離を取ろう
「ポリエステルのテントは穴があきやすいから……」と、ポリコットンのテントを選ぶ人もいますよね。
ポリコットンのテントは通称TCテントとも呼ばれ、燃え広がりにくいので焚き火に強いと言われています。
T/Cはテトロンとコットンを混紡した繊維製品のことをいい、テトロンはポリエステル繊維を開発した帝人と東レの共同商標となっています。P/Cと表記されることもありますが、中国や台湾、韓国など安価な輸入ポリエステル素材と区別するためにT/Cと表記されていることが多いです。
引用:ユニフォームタウン
しかし、個人的にはポリコットンのテントでも焚き火から距離を取るのがオススメ。
理由は以下の通りです。
- 燃え広がりにくいけど焦げる
- 燃えた木片が飛ぶと穴があく
- 火の粉以外にも問題が起きる
ポリコットンのテントは燃え広がりにくいけど、完全に燃えない素材ではありません。火の付いた木片が飛び乗ってしまうとアウト。
ゴリラキャンプさんのサイトで、TC素材のタープの上に炭を乗せて検証しています。記事を読んでみて、結果にとても驚きました。
たとえ燃えにくいポリコットンのテントでも、燃えた木片が飛んできたら怖いと感じませんか。
テントの穴あきの他にも問題が起きる
焚き火とテントが近いと、火の粉以外にもこんな問題が起きるかもしれません。
- テントのロープで転倒する
- テント内に煙や火の粉が入る
道具を守るのも大切ですが、せっかくのキャンプが悲しい経験になるのも避けたいですよね。
次の項目で、詳しくご紹介します。
テントのロープで転倒する
テントにロープを張るときは、1メートルほど離れたの場所にペグを打ち込むことが多いです。
テントの近くで焚き火をしている場合、ちょっと席を立つタイミングでロープに脚を引っかけて転んでしまうことも。
万が一燃えている焚き火側に転んでしまったとなったら、大変なことになってしまいますよね。
ちなみに私もお酒を飲んでいるときに、ロープに脚をかけて派手に転んだことがありました……。
特に夜間はロープが見にくく、お酒も入っているとなれば、転倒リスクが非常に高くなってしまいます。
怪我や火傷を回避するためにも、テントと焚き火は距離を取り、安全に歩ける場所を確保しましょうね。
焚き火中の怪我防止については、「怪我と火傷の防止方法」の記事で様々な対策方法を紹介しています。
怪我防止のために、あわせてお読みください。
テント内に煙や火の粉が入り込む
焚き火がテントの入り口に近い場合、風向き次第ではテント内に煙がたくさん入ってしまいます。最悪の場合、火の粉が入りこんで寝袋などに穴があいてしまったようなケースも……。
煙の臭いは落ちにくいですし、煙たい中で一晩過ごす羽目にもなってしまいます。
快適な夜を過ごすためにも、焚き火の位置は重要ですね!
焚き火の配置決めでよくある悩み
焚き火とテントを離したら安心なのはわかったけど、配置を決めるなかでアレコレ悩んでしまうこともありますよね。
キャンプの快適性だったり、コロコロ変わる天候だったり。
この項目では、焚き火の配置を決める段階で悩みがちなことについてお答えしています。
ぜひ参考にしてください!
風向きがよく変わって安定しない
「焚き火をするときは風向きを読んで、テントの風下に配置しよう」とよく言われますが、正直風向きってコロコロ変わりますよね。
設営するときはしっかり風下に置いたはずなのに、気がついたらなぜか風上だったことも……。
風が弱い日なら、距離を取っていれば大丈夫かもしれませんが、風の強さもどんどん変わっていきます。
風向きばかりに気を取られたくない方には、焚き火陣幕やリフレクターを使ってみるのはいかがでしょうか。
荷物が増えるのは難点ですが、焚き火の隣に立てると、ある程度の風をさえぎってくれる優れもの。秋冬キャンプに焚き火で暖を取るときは、熱を反射させるので暖かさを逃しません。
風向きよりも焚き火に集中したい方は、ぜひ使ってみましょう!
テントから遠いと荷物を取るのが面倒
焚き火がテントから遠いと、荷物の出し入れをするときが面倒ですよね。特に焚き火料理をする方にとっては、食材や調理器具を取るために、何度も何度も往復するのが大変。
そんな方へ個人的にオススメしたいのが、焚き火用のテーブルを追加で1つ用意すること。
テーブルがひとつ増えるだけで、こんなメリットがあります!
- 使う予定の道具をまとめて置いておける
- くつろぎタイムの飲み物置き場に使える
- 焚き火専用にすれば、灰で汚れても気になりにくい
サイドテーブルのような使い方をするので、大型なものでなくても大丈夫。
キャプテンスタッグのアルミロールテーブルが、軽くてコンパクトになるのでオススメですよ。
椅子に座ってゆっくり焚き火を楽しみたい方は、ぜひ使ってみてくださいね。
設営後に焚き火する場所がなくて困る
私自身、何度も経験しましたが、「順番に設営したら、思った通りに焚き火スペースが作れなかった」ことってありませんか。
- スペース内にテントやタープを設営していったら、焚き火する場所がなくなった
- フリーサイトで設営中、焚き火しようとしていた場所を他の人に使われてしまった
こんなときにわたしが最近試しているのが、最初に焚き火台を置いてしまうこと。
あえて先に焚き火台を出しておくことで、テントやタープとの距離の目安になったり、他の人へ「ここで焚き火します」と周囲にアピールして伝えられます。
もちろんマナーとして、フリーサイトで広範囲を独り占めしたり、既に設営してある他の人のテントへ隣接させるのはダメですよ。
毎回焚き火の場所が作れなくて困っているようなら、ぜひ試してみてくださいね。
タープの下で焚き火を楽しみたい
天候が悪い日や寒い時期など、タープ下で焚き火をしたいと思う方は多いです。タープ下で焚き火をする場合は、以下の点に注意してください。
- 燃え広がりにくいコットン・T/C製タープを使う
- タープポールは2m以上の長いものを使う
- 焚き火を大きくしすぎず、コンパクトにする
タープ下に焚き火を配置する際の注意点については、以下の記事で詳しく説明しています。
まとめ|焚き火はテントと適切な距離を取って楽しもう
この記事では、焚き火をするときのテントとの適切な距離と、距離を取る3つの理由についてのご紹介でした。
せっかくのキャンプ、大切な持ち物に穴があいたり、トラブルになったりするのは嫌ですよね。
焚き火を他の道具と離すだけでいくつものトラブルを回避できます。あなたもぜひ、安全な距離を保って焚き火をしてくださいね。
それでは、また!